エジプト関連の有名人といえば、なんと言ってもクレオパトラでしょう。美人だったとして知られている人です。1
でも、この人、エジプト人というよりはギリシャ人なのかもしれません。エジプトの女王なのにギリシャ人って、どういうことなのでしょうか。
クレオパトラは1人ではない
![By Louis le Grand [Public domain], via Wikimedia Commons Kleopatra-VII.-Altes-Museum-Berlin1](http://www.egypt-shirabetemita.com/wp-content/uploads/2015/09/Kleopatra-VII.-Altes-Museum-Berlin1.jpg)
クレオパトラ7世頭部
(紀元前40年頃、
ベルリン美術館蔵)
現在クレオパトラとして知られている人は、正確にはクレオパトラ7世という人です。
彼女は、プトレマイオス朝のファラオです。しかも、エジプト古代王朝最後のファラオです。
クレオパトラ7世という名前からもわかるように、プトレマイオス朝にはクレオパトラがたくさんいます。プトレマイオス朝の王族の伝統的な名前らしいです。
プトレマイオスはギリシャ人
このプトレマイオス朝というのは、もともとはギリシャ人の王朝です。
歴史的な順をたどってみると、まずアレキサンダー大王がエジプトを征服しています。そのアレキサンダー大王の死後に、彼の部下であったプトレマイオスがエジプトに建国したのがプトレマイオス朝なのです。
アレキサンダー大王もプトレマイオスも、マケドニア出身のマケドニア人です。このマケドニア人というのは、現在の言い方で言うとギリシャ人と言っていいでしょう。
つまり、プトレマイオス朝と言うのは、ギリシャ人がエジプトに作った王朝なわけです。
クレオパトラもギリシャ人
ですから、プトレマイオスの子孫であるクレオパトラも、家系的にはギリシャ人ということになるわけです。
「マケドニア人=ギリシャ人」とするのは、ちょっと大雑把過ぎるかもしれません。ただ、もともとエジプトに住んでいた人たちの家系でないのは間違いがなさそうです。
もちろんクレオパトラに、現地エジプトの血が途中で入っていた可能性も否定できません。この点は現在議論になっているようです。
でも、本人の意識としては、ギリシャ人の家系という意識が強かったと想像できますよね。権力者としての家系図をたどっていけば、ギリシャ人(くどいですが、正確にはマケドニア人)であるのは間違いないですからね。
誤解をしている日本人は多いでしょう
このあたりの事情は、知らない人が意外と多そうですよね。クレオパトラはエジプトの女王なのでエジプト人だと思っている人が多いはずです。実は私自身も、そう思っていた時期が長いです。
その国の出身者以外が国を統治するという感覚は、日本人にはわかりづらいですよね。イメージとしては、中国の清とか元を思い浮かべると理解しやすいでしょうか。もともと清は満州人が建てた国ですし、元はモンゴル人が建てた国です。
まったくの余談ですが、エジプトにはクレオパトラという名前の水タバコがあるそうです。でも、エジプト人は、クレオパトラって発音できないはずなんですよね。アラビア語には「パ」の音がありませんから。
黒髪ストレートなクレオパトラは誤解
何の影響かは知りませんが、クレオパトラには黒髪ストレートでぱっつんというイメージがあります。でも、彼女がギリシャ人という事になれば、その要旨も違ったものだった可能性が大きそうです。
その当時のギリシャ人の髪質は分かりませんが、今のギリシャ人はくせ毛の人がおおそうな印象です。髪の毛も細そうで、クレオパトラに対して持つような髪形にはなりにくいと思うのです。
それに、色も少し薄そうな感じもしますしね。
ちなみに、西洋絵画などでは、クレオパトラは金髪に描かれていることが多いです。例えば(↓)のような感じです。あるいは、黒髪で描かれたとしても、ストレートヘアではなく、くせ毛で描かれているようですね。
[Guido Cagnacci『The Death of Cleopatra』]
やっぱり、黒髪ぱっつんストレートのイメージは、日本だけのものなのかも。エジプトの女王ということで、勝手にオリエンタルな雰囲気で描いているような気がします。
- それにしても、世界3大美女に小野小町を入れた人は誰なのでしょうか。なんだか無理やり日本人を入れましたという感じしかしませんよね。小野小町が美人だったかどうかは別として、所詮はただの貴族の娘です。他の2人とは政治的な影響力が違いすぎます。それを並べて入れるって、すごいことです。 [↩]
とりあえずツアーが楽かなあ
始めてエジプトに行くなら、とりあえずツアーが楽でしょうか。H.I.Sのツアーをチェックする限り、5日間で10万円ちょっとからという感じですかね。もちろん時期にもよるのでしょうけど。
あ、ちなみに、添乗員が同行するプランです。
興味がある人は、チェックだけでもいかがでしょうか。

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