エジプトと言えば観光で有名な国です。立地としてはヨーロッパに近い地域ですし、歴史的な観光資源もたくさんあります。さらには、北部にはリゾート地もあります。観光客が多くても不思議はない国ではあります。
しかしここ数年は、政情が安定しません。テレビの映像でも、結構衝撃的なシーンが見られましたね。この政情不安は、エジプトの観光産業に影響しているのでしょうか。
エジプトに向かう日本人の旅行者の多くは、観光目的の旅行でしょう。革命やクーデターが観光産業にどの程度影響を与えているかは、とても気になるところですよね。
そこでこのページでは、そもそもエジプトへの入国者は他国との比較で多いのか少ないのか、革命やクーデターの影響はどの程度あったのかというあたりについて確認してみましょう。
年間916万人の旅行者
UNWTO の調査によると、2013年のエジプトへの入国者数は917万4000人なのだそうです。世界の中のランキングでいうと、30位の数字です。世界全体で見ると、比較的旅行者が多い国なのは間違いありません。
ただ、同じ中東の国々で、エジプトよりも旅行者が多い国もあるようです。サウジアラビアは1,338万で20位につけています。また、モロッコも1,004万6000人で28位です。さらに、エジプトよりは一つ順位が下の国が916万3000人のバーレーンです。
こうしてみると、中東の中で圧倒的に旅行者が多いというわけでは無さそうですね。飛びぬけて旅行者が多い国は無いものの、同じ水準の旅行者がいる国は、他にもいくつかあるという感じです。
サウジアラビアの旅行者が多いのは、イスラム教の巡礼者が多いからでしょうね。一般旅行者は簡単にはいけない国らしいですから、それ以外の理由は考え辛いでしょう。
モロッコが多いのは、エジプトと同じく観光なのでしょうね。地図を見ると一目瞭然なように、スペインにとってはお隣の国ですからね。
日本よりも少ないのはどうなんでしょう
ちなみに日本は第26位で、入国者数は1036万4000人なのだそうです。つまり、エジプトと比べると日本の入国者の方が多いわけです。
でも、エジプトとしてはこの数字は非常にまずいはずです。なぜならエジプトは、ヨーロッパから観光客が訪問しやすい場所にあるからです。イタリアやフランスからなら、地中海を越えるだけで、すぐに来られるような場所のはずなんですよね。
観光地としてみたときに、立地として明らかに不利な日本より少ないのは、かなり問題でしょう。モロッコーやバーレーンに負けるのも、まずいことだと思われます。
ただ、逆に言うと、エジプトの観光産業には、これからさらなる成長の余地があるともいえそうです。
減少傾向にあるが、びっくりするほど減っているわけでは無い
少し過去までさかのぼってみると、アラブの春といわれた市民運動があった2011年を境に、確かに旅行者数は減っているようです。ただ、びっくりするほど大きな減少幅では無いようですね。
具体的な旅行者の数を、2011年から見ていきましょう。
- 2008年:12,296
- 2009年:11,914
- 2010年:14,051
- 2011年:9,497
- 2012年:11,196
- 2013年:9,174
ちなみに順位は、2008年から20→18→18→27→23→30と変動しています。
アラブの春の2011年で旅行者が減少し、2012年に議会と大統領の選挙があって一度回復しています。しかし、2013年に軍のクーデターがあって、また落ち込んでいると言う感じですね。
見事に国内情勢にあわせた推移をしているのが分かります。とは言え、2011年や2013年に、驚くほど落ち込んでいるわけでもありません。思ったよりは旅行者数が安定しているという印象でした。
以前と比べるとだいぶ増えているようです
ところでエジプトの旅行者数は、以前は実はそれ程多くはありませんでした。革命やクーデターがあった2011年や2013年の旅行者数ですら、10年前、20年前と比べると、圧倒的に多いのです。
具体的に書くと、1995年には287万1000人で、2003年には574万6000人でした。この当時と比べると、かなり旅行者が増えているのがわかります。数倍に増えているのです。
ただ、上にも書いたように、まだ可能性はありそうな気がするんですよね。少なくとも、ムバラク政権の末期には、今の1.5倍の観光客がいたわけですし。
とりあえずツアーが楽かなあ
始めてエジプトに行くなら、とりあえずツアーが楽でしょうか。H.I.Sのツアーをチェックする限り、5日間で10万円ちょっとからという感じですかね。もちろん時期にもよるのでしょうけど。
あ、ちなみに、添乗員が同行するプランです。
興味がある人は、チェックだけでもいかがでしょうか。

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