アラビア語というと、ムスリムが話す言葉というイメージがありますよね。でも、アラビア語を話すのは、ムスリムだけではありません。
このページでは、そのあたりについて見てみましょう。
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コプトもアラビア語を話します
例えばエジプトには、コプト教というキリスト教の一派を信仰する人たちがいます。この人たちは、アラビア語を話します。
コプト教徒はエジプトの人口の10%程度と言います。ということは、800万人程度はアラビア語を話すキリスト教徒がいることになるわけです。
そしてコプト教徒に限らず、アラブの国々で生活するムスリム以外の人たちも、アラビア語を使う人が多いわけです。
考えてみれば当然かも
なんとなく「イスラム教=アラビア語」みたいな印象が強いので、アラビア語を話すムスリム以外の人たちがいることには違和感を受けます。でも、考えてみたら、当たり前のことなのかもしれません。
生活していくことを考えたら、人口の大多数を占めるムスリムが使っているアラビア語を使わない理由はまったくありません。そうでないと、ムスリムとムスリム以外の人の交流が非常に大変なものになってしまいます。
ちょっと余談ですが、コプト教の教徒は宗教儀式ではコプト語と呼ばれるエジプトの古い言葉を使うようです。かなり限定的な使われ方ですけどね。
ムハンマドがたまたま使っていた言葉がアラビア語だっただけという考え方もできる
さて、イスラム教の聖典であるコーランは、アラビア語で書かれています。そして当然ですが、コーランを書くためにアラビア語を作ったわけではないはずですよね。
当時の現地の言葉であるアラビア語と使って、アラビア語を日常的に話す地域に住む人たちがコーランを作ったと考える方が妥当でしょう。ということは、ムハンマドがイスラム教を作る以前は、イスラム教とは全く関係のないアラビア語話者しかいなかったということになります。
「イスラム教=アラビア語」と言うイメージがあまりにも強いので、こんな風に考えても私の中ではかなり違和感があります。でも、論理的に考えると、そう考えるしかありません。
ちなみに、ウィキペディア情報を信じると、アラビア語は4世紀ごろにアラビア半島で話されていた言葉だと言います。イスラム教が生まれたのが7世紀なので、やっぱりアラビア語の方が古いわけです。
ところでイスラム教では、アラビア語をイスラム教を伝えるのに神様が選んだと位置づけているそうです。権威付けのために、こういう説明が考えられたのでしょう。
なんにしても、「イスラム教はアラビア語で」という位置づけが明確なわけです。ですから、イスラム教がアラブ全域に広がるのにあわせて、アラビア語も広がっていったと考ていいようです。
アラビア語を話せないムスリムも多い
逆に、アラブの世界以外では、アラビア語を話せないムスリムも少なくありません。
ウィキペディアによると、アラビア語の話者数は約2億3500万人なのだそうです。その一方で、ムスリムは世界に15億人以上いるのです。ということで、アラビア語の話者数に比べてムスリムの数の方が圧倒的に多いのです。
例えば、ムスリムが多いイランですが、この国の公用語はペルシャ語です。もともとペルシャ帝国の流れを汲む国ですから、当然ですよね。
トルコもムスリムが多い国ですが、この国で話されているのはトルコ語ですね。かつてイスラムの大帝国を作ったトルコですが、話されている言語はアラビア語とは関係が無いのです。
あるいは、インドネシアもムスリムが多い国です。1億7000万人ものムスリムがいます。
ただ、この人たちの大半もアラビア語は話せないでしょう。少なくとも公用語はインドネシア語だけです。
インドネシアではアラビア語を学習する優先度は低い
ちなみにインドネシアの公用語であるインドネシア語ですが、インドネシア語を日常的に使っている人は3,000万人程度しかいないのだとか。500以上の言語があり、地域ごとに使われる言葉が違うのだそうです。
ということは、インドネシア人にとって優先的に学ばないといけないのは、まずは住んでいる地域の母語です。そして、その次に、公用語であるインドネシア語です。アラビア語を覚えるとしたら、その次と言う順序になるはずです。
ということは、インドネシアでアラビア語が使えるのは、よほど高い教育を受けた人か、宗教的に熱心な人だけということになります。そんなに数が多いとは思えないですよね。
アラブ以外ではアラビア語を話せないムスリムが多い
以上、3つ例を挙げましたが、中東以外の地域では大体こんな感じなのでしょう。アラビア語ができなくてコーランが読めない、でもムスリムであると言う人が、圧倒的に多いわけです。
とりあえずツアーが楽かなあ
始めてエジプトに行くなら、とりあえずツアーが楽でしょうか。H.I.Sのツアーをチェックする限り、5日間で10万円ちょっとからという感じですかね。もちろん時期にもよるのでしょうけど。
あ、ちなみに、添乗員が同行するプランです。
興味がある人は、チェックだけでもいかがでしょうか。

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