エジプト旅行に関する某ガイドブックを読むと、ベリーダンスについて「ラッカス・シャルキーと呼ばれ」云々と書かれていました。私自身も別のページで、アラビア語では「ラクス・シャルキー」という呼び方がされるということを書きました。
ただ、エジプト旅行のガイドブックとしては、「ラッカス・シャルキーと呼ばれ」という書き方はいま一つという感じがします。なぜかと言うと、少なくともエジプトでは、「ラッカス・シャルキー」とは発音されないからです。ちなみに、「ラクス・シャルキー」とも発音されません。
フスハーと呼ばれる標準アラビア語としては、「ラッカス・シャルキー」も「ラクス・シャルキー」も音としてはそれほど間違いではありません。でも、エジプトのガイドブックとしてはちょっと気になる記述なのです。
エジプトではQの音が発音されない
「ラッカス・シャルキー」をアルファベットで表記すると、「Raqs Sharqi」となります。「Raqs」がダンスを表す単語で、「Sharqi」が東方のという意味の単語です。
フスハーと呼ばれる書き言葉では、「Q」は「カ行」の音ですから「ラッカス・シャルキー」あるいは「ラクス・シャルキー」という言い方はそれほど間違っていないことになります。
しかしエジプト方言では、「Q」の音は発音しない事が多いのです。それではエジプトだとどうなるかと言うと、「Raqs」ではなく「Ra’s」と発音されるようです。
参考:http://www.egyptianarabicdictionary.com/online/word.php?id=1423
(こちら(↑)では、ベリーダンスは「ラアッス・バラディ」としています)
次に、「シャルキー」ですが、この「キ」もつづりの上ではQです。ですからエジプトでは、「シャルキー」よりも「シャルイ」と発音されるようですね。
ということで、エジプトのガイドブックとして現地の呼び方を書くのなら、「ラアッス・シャルイ」とでも書くべきでしょう。その方が、カタカナ読みしても伝わる可能性が高いはずです。
かなり細かい揚げ足取りですが、気になったので書いておきました。
ただ、あまりに細かい話なので、名指しで批判するのもかわいそうに感じました。そこで名前は出さず、某ガイドブックとしておきました。ただ、有名なアレです。
とにかく、エジプトでベリーダンスのことを呼ぶときには、「ラアッス・シャルイ」で行きましょう。英語が分かる人相手なら、「ベリーダンス」の方が通じると思いますけど。
さらに追い討ちを書けると
ちなみに、この手の間違いをしているのは、ここだけではありません。
標準アラビア語ではホテルのことを「フンドゥック」と呼ぶのですが、エジプトの口語では「フンドゥ」です。これも同じ理屈で、エジプトではQの音が発音されないからです。
しかし、ガイド本の中のホテル名では、すべて「フンドゥック」と書かれていました。でもこれは、明らかに現地でのホテルの名称とは音が違います。
標準アラビア語しか知らない人が作ったのかな?
おそらくこのガイド本は、標準アラビア語しか知らない人が作ったのでしょう。ですから、カタカナに直すときに、現地での正しい音から大きく外れたものになっています。
旅行のガイド本に100%の正確性なんて求めてはいけないのかもしれません。でも、ちょっと残念ですね。エジプト人を1人呼んできて確認すれば済む話ですから。
それとも、わざわざ標準アラビア語の発音にあわせたのでしょうか?だとしたら、エジプトで使われない音をわざわざ紹介する意味が分かりませんけど。
まあ、印刷物を信頼しすぎるなって言うことです。
とりあえずツアーが楽かなあ
始めてエジプトに行くなら、とりあえずツアーが楽でしょうか。H.I.Sのツアーをチェックする限り、5日間で10万円ちょっとからという感じですかね。もちろん時期にもよるのでしょうけど。
あ、ちなみに、添乗員が同行するプランです。
興味がある人は、チェックだけでもいかがでしょうか。

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