エジプトで話されている言語は、アラビア語です。実際、エジプトの公用語はアラビア語のみです。
ただ、一口にアラビア語といっても、中々状況は複雑なようです。何が複雑かというと、エジプトで話されているアラビア語は、日本の大学などで教えているアラビア語とは少し違うのです。部分的にはかなり違います。
コーランが書かれた当時の言葉がフスハー
公用語として使われているアラビア語は、フスハーと呼ばれるものです。「正則アラビア語」といういわれ方もします。
このフスハーは何かというと、いわゆる書き言葉の事をいいます。イスラム教の聖典であるコーランも、フスハーで書かれています。新聞や書籍なども、フスハーで書かれます。また、テレビのニュース番組なども、フスハーが使われるようです。
コーランがフスハーで書かれていることから分かるように、フスハーは当時から、大きく変わってはいないと言います。
ですからアラブの世界では、すごい昔の言語が変わらず使われてきているということですね。宗教の力ってすごいですね。
具体的に書くと、イスラム教ができたのは7世紀です。普通に生活する現代人が、その当時の文章を普通に読めるわけです。つまり、1,000年以上前に書かれたものを現代の人が読めるって、かなりすごいことですよね。例えば、古事記は8世紀のはじめに書かれたものですが、これを読める日本人なんてほとんど居ないはずです。一部の研究者だけでしょう。
平安時代のものだって、一般の人には読むの難しいですよね。高校時代に古文をがんばって勉強した人でも、活字にしてあって句読点も打ってあれば、ぎりぎり読めるくらいでしょうか。
日常はなされているのがアンミーヤ
それでは、日常会話のアラビア語はどうなっているのでしょうか。実は、アラブのそれぞれの地域で、アンミーヤという方言が使われています。エジプトにも、エジプトのアンミーヤがあります。
ということは、国が違うと、同じアラビア語でも言葉が通じないこともあるようです。琉球方言しか話せない日本人と東北弁しか話せない日本人がいたら、おそらく意思の疎通は困難ですよね。完全に不可能とはいいませんが、伝わらない部分も多いはずです。
日本語の場合は標準語があり、ほとんどの日本人が標準語を話せます。毎日テレビのニュースを聞いているわけですから、誰でも標準語ができるようになるわけです。
でもアラビア語の場合は、共通の話し言葉がないわけです。その意味では、日本語には無いトラブルを抱えているわけですね。こういう場合は、フスハーを使ってコミュニケーションをとったりするそうです。
これと比べると、英語って凄い便利な言葉ですね。オーストラリア人とアメリカ人とイギリス人が意思の疎通で困るという話は聞かないですから。いや、でも、英語も地方によっては方言がすごいですからね。知らないだけで苦労することはあるのかもしれません。
アンミーヤの特徴
ちなみにアンミーヤというのは、フスハーよりもかなり簡略化されています。
ちょっと専門的な話をすると、フスハーには格変化がありますが、アンミーヤにはこれがありません。また、フスハーはyes-no型の疑問文では文頭に「ハル」という語をつけますが、エジプトのアンミーヤにはこれが無く、語尾を上げるだけです。これ以外にも、様々な点が簡略化されています。
日本の書店で売られているアラビア語のテキストは、ほとんどがフスハーを学習するためのものです。ただ、一部ですが、エジプトのアンミーヤのものも売られています。また、エジプトのアンミーヤに関しては、外大などの社会人講座で学習できるようですね。
まあ、興味があったら、チェックしてみてください。
とりあえずツアーが楽かなあ
始めてエジプトに行くなら、とりあえずツアーが楽でしょうか。H.I.Sのツアーをチェックする限り、5日間で10万円ちょっとからという感じですかね。もちろん時期にもよるのでしょうけど。
あ、ちなみに、添乗員が同行するプランです。
興味がある人は、チェックだけでもいかがでしょうか。

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