エジプト料理と言うとどんなものを思い浮かべるでしょうか。
エジプトの代表的な料理であるコシャリに関する記事が、Yahoo!ニュースに2本上がっていました。どんなものかチェクしてみましょう。

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現代エジプトの文化を伝える記事は珍しい
Yahoo!ニュースをみていたら、エジプトの料理に関する記事が2本同日にアップされていました。どちらも、特に、コシャリについての詳しい記述があります。
現代のエジプトの文化を伝える記事は、そもそもあまり多くない印象です。こんな珍しいこともあるのですね。
ちなみに、コシャリはこんな感じの料理です。

ネットでフリーの画像はいくつか見つけたのですが、どれもあまり美味しそうじゃなくてがっかりです。なんか、学校の給食みたいな画像ばかりでした。
コシャリはエジプトの国民食と言われることもあるようです。日本人にとってのカレーとかラーメンみたいなものでしょうか。
中東料理という雑すぎるくくりの記事
一本目の記事は、「ブレーク寸前『中東料理』がじわじわきている」という東洋経済の長い記事です。エジプト料理の記事というよりは、中東料理を紹介する中で、エジプト料理にも触れられていると言う感じでしょうか。1
記事では中東料理全般を紹介しているのですが、全体的な印象としてはヘルシーな中東料理という感じて紹介されていました。これがかなり違和感がありました。
エジプト料理と言うと、脂っこい料理が多いという印象だったのです。なんか、私の印象とぜんぜん違うんですよね。
中東料理って何?
そもそも中東料理という表現が広すぎるんですよね。
中東をどこからどこまでとするかは、厳密な定義はありません。人によって指している地域に微妙なズレがあります。
一般には「中東」と言った場合、モロッコからイランやアフガニスタンあたりまでを指す言葉と考えていいでしょうか。北アフリカから西アジアあたりの地域です。
そう考えると、かなり広い範囲なんですよね。地図で見ると分かるのですが、ロシアを除いたヨーロッパの何倍もの面積があります。
その範囲を「中東料理」の一言でまとめてしまうのが、無理があるのかもしれません。
日本と韓国、中国、フィリピン、ベトナム、インドネシア辺をまとめて、東アジア料理などと言われても違和感を持つはずです。それと同じ感じなのかもしれません。
例えば書店に行って、「東アジア料理」とか「ヨーロッパ料理」という本が売っていたとします。これを見たら、なんて雑な分類なんだと思いますよね。
中東料理というくくりは、そういうことです。ああ、でも、西欧料理の基本みたいな本なら売っているか。
中東各国の料理は似ている?
一応、次のような説明で、各国の料理が似ているという説明はしていますけどね。
版図を大きく広げたオスマン帝国時代には、料理も伝播して各地に似たような料理が広がった。
それでも、流石にこれだけの広さだと、ひとまとめにするのは無理があります。
似ていると言えないことも無いですが、やっぱり国によって差は結構大きな印象です。まあ、印象論なので、人によって見解が違ってもいいのですが。
コシャリってヘルシーか?
ちなみに、エジプト料理としては、コシャリが紹介されていました。コシャリというのは、米とパスタという、炭水化物を2つ組み合わせた料理です。
ご飯とパスタに、トマトソースがかかっているものを想像すれば、それほど外れていないはずです。同じ地中海の料理なので、イタリア料理とかスペイン料理にありそうな料理です。
もっともイタリア人は、米とパスタを一緒に食べたりはしないでしょうけど。
このコシャリには、ひよこ豆やレンズ豆などの豆が入っているのが定番でした。しかし最近は、エジプトの経済状況が悪く、この豆が抜かれている場合もあるのだとか。あるいは、お米が減らされていたりするようです。
まあ、何にしても、炭水化物おばけのような料理です。これって、ヘルシーなの??
やっぱり、ヘルシーだから中東料理が注目というスタンスは、ちょっと無理があるような。一部の「中東料理はヘルシー」くらいに理解しておいたほうがいいでしょう。
「脂っこい料理が多すぎて、食べられたものではない」。人によっては、こんなことを言う人すらいます。
フムスって何?
ところでこの記事の中で、中東料理の代表として「フムス」という料理が紹介されていました。この名前を見て、一瞬どんな料理か分かりませんでした。
かなり有名な料理のような書き方をしていたのですけどね。聞いたことがなかったのです。
そんなに有名な料理なら、食べたことはなくとも名前くらいは聞き覚えがあってもいいのですが。不思議です。
ただ、ウィキペディアの「フムス」のページに「フムス、あるいはホンモス、フンムス」という説明があって納得しました。「ホンモス」なら名前は知っています。
というか、そもそもホンモスというのはアラビア語で、ヒヨコマメのことを指す単語です。ですから、料理は知らなくても、素材としては知っていて不思議ではないものです。ヒヨコマメは様々なエジプト料理で使われますからね。
ちなみに、発音的にはホンモスの方が原音に近いでしょう。حُمُّص というのがアラビア語の表記です。これを自然に読むと、「フッムス」あるいは「ホッモス」となるからです。
フムスと言う平易な感じにはなりません。Google 翻訳などで音声が確認できるので、興味がある人はチェックしてみるといいでしょう。
ただ、日本では、フムスの方で定着しているようですね。というのもGoogle の結果をみると、フムス が「約 813,000 件」ヒットしたのに対して、ホンモスはわずか「約 5,650 件」でした。
まあ、外国語のカタカナ表記ですから、どちらが正しいとは一概に言えませんけどね。地域によって訛りもあるでしょうし。
とりあえず、フムスとホンモスは同一のものだと覚えておくといいかもしれません。エジプト人の発音を聞くと、ホンモスとしか聞こえませんから。少なくとも私には。
ちなみにフムスは、次のような料理です。
ゆでたヒヨコマメに、ニンニク、練り胡麻、オリーブオイル、レモン汁などを加えてすりつぶし、塩で調味したペースト状の料理。(ウィキペディアより)

ようするに、ヒヨコマメと胡麻のペーストですね。
フムスはネット通販もあるようです
さらに調べてみると、フムスに関してはネット通販もあるようです。まあ、豆のペーストですからね。加工食品にはしやすいのでしょう。
Amazon.co.jp などで売られていますから、興味がある方はチェックしてみてください。次のような商品が売られていました。
あるいは、Amazon.co.jp 食品カテゴリーで「フムス」の検索結果をチェックしてみてください。
健康志向のコシャリが登場?
もう一本の記事は、ヘルシー志向のコシャリがエジプトで話題になっているという記事です。2 エジプトの食のトレンドを紹介するって、すごいニッチな記事ですね。
話題になっているコシャリについては、次のように記述されていました。
一見普通のコシャリのよう。だが口に入れると、炊いた米やゆでたマカロニ、パスタのふにゃふにゃ感の代わりにサクサク、コリコリ。入っているのは、ピーマンにカリフラワー、にんじんなどの野菜。その上にトマトソースとあげたタマネギがかかっている。歯ごたえがよくて、あっという間に食べ終わったが、コシャリ特有の食べた後に胸がつかえる感じがない。思った以上に食べやすい。
ようするに、コシャリの炭水化物の部分を、野菜に替えたもののようです。なにか違うもののような感じがしないでもありません。
繰り返しますが、コシャリと言うのは、炭水化物おばけです。お好み焼きをおかずにご飯を食べるような料理です。スパゲッティとピザを一緒に食べるでもいいですけど。
そのコシャリから炭水化物を抜いてしまったら、別物としか思えないような気もします。エジプト人の感覚は、どうなのでしょうかねえ。
別に、料理自体は否定しませんけどね。炭水化物が入っていなければ、コシャリじゃないだろうと思うわけです。
エジプト人に取っては高価らしい
ちなみに、このコシャリ、エジプト人の感覚だと滅茶苦茶高価なものらしいです。
だが、問題は値段だ。この店で普通のコシャリが18.75エジプトポンド(120円)のところ、ヘルシー・コシャリは28.5ポンド(180円)。コシャリは大衆的な料理で他の店では10ポンド(60円)も出せばおなかいっぱい食べられるから、3倍近い値だ。店の中を見渡すと、客は見るからに富裕層。会社のエジプト人の助手にこの料理について話すと、「それは、コシャリじゃないね」。ぴしゃり言われてしまった。
日本人の感覚だと、かなり高い感じはしますね。コンビニおにぎりが150円なのに対して、高級おにぎりが450円というような感じでしょうか。
まあ、180円でお腹いっぱい食べられれば、日本人の感覚からすると十分安いですけどね。
- ブレーク寸前「中東料理」がじわじわきている
2018/12/9(日) 6:10配信 東洋経済オンライン [↩] - 炭水化物てんこ盛り、エジプトの国民食「コシャリ」にもヘルシー志向の波が来た
2018/12/9(日) 9:21配信 [↩]
とりあえずツアーが楽かなあ
始めてエジプトに行くなら、とりあえずツアーが楽でしょうか。H.I.Sのツアーをチェックする限り、5日間で10万円ちょっとからという感じですかね。もちろん時期にもよるのでしょうけど。
あ、ちなみに、添乗員が同行するプランです。
興味がある人は、チェックだけでもいかがでしょうか。

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